[一級建築士製図試験]合格の前の全段取り

一級建築士製図試験を合格するために

合格判定となる図面とは?

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誰が合否の判定をしているのか、それは取り敢えず考えないとして、合格判定を受けやすい図面とは、どう言った図面なのでしょうか。

私の感覚ですが、合格判定を受けやすい図面には、少なからず共通点があるように感じています。

それは実務のCAD作図での心掛けと同じかもしれませんが、メリハリを意識する という事。

細かく話すと、個人の哲学や所属する組織の方針で違う部分もあると思いまが、それらはこの製図試験においては意味を成さない無駄なこだわりです。

メリハリを意識する事は、作図に慣れるに従ってということではなく、初めての手描き図面・初めて引く線から意識することで、横並びのライバルから、何歩も先に進むことが出来る方法です。

合格判定となる図面とは?

誰が合否の判定をしているのか、それは取り敢えず考えないとして、合格判定を受けやすい図面とは、どう言った図面なのでしょうか。

私の感覚ですが、合格判定を受けやすい図面には、少なからず共通点があるように感じています。

 

それは実務のCAD作図での心掛けと同じかもしれませんが、メリハリを意識する という事。

細かく話すと、個人の哲学や所属する組織の方針で違う部分もあると思いまが、この製図試験においては意味を成さないこだわりです。

メリハリを意識する事は、作図に慣れるに従ってということではなく、初めての手描き図面・初めて引く線から意識することで、横並びのライバルから、何歩も先に進むことが出来る方法です。

学科試験は単純明快

やる事は決まっている

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 学科試験は、勉強すればするほど結果が付いてくる単純なもので、製図試験と違って通勤の電車内でも勉強しようと思えば出来ます。コツも単純。

・計画 → 暗記

・環境・設備 →  暗記

・法規 →  暗記

・構造 →  暗記

・施工 →  暗記

結局のところ、これしかないです。

法規に関しては、法令集を持ち込めますが、合格する人は試験本番時には主要条文ぐらいは暗記しているように思います。ある意味時間との勝負であり、少しでも暗記しておく事は、本番で自分を助ける事になります。

また、最近ではスマートフォンのアプリでも勉強できますよね。

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自分にあったやり方で、とにかく暗記をする事に力を注げば良いと思います。

 

自分の中に「新しいチャンネル」

1つ目のチャンネル要素_加減

ある時、妙な事に気づく。

実務に長けていて、卒なく仕事をこなし、ディテールにも詳しいあの人が製図

試験は突破出来ないでいる、という事。

完璧主義。聞こえはいいが、製図試験においては、これが足枷になっている人が

多いように思います。

 

設計をする人は繊細で細かい性格の人が適している。

だが、試験を突破したいなら考え方を改める必要がある。

 

いい加減にすると、もちろん合格できない。。と思いがちだが、あなたの考える

完璧を果たして採点官は本当に求めているのだろうか。

完璧とは何なのだろうかと、一度自問自答して欲しい。

とは言っても、6時間30分で出来る、それぞれの「完璧」を

自分自身で見つけて欲しい。

私の場合、 自分が完璧と思う事を他人が必ずしも求めているわけでは無いという考え方を基に、建築として必要な要素を優先的に盛り込むようにして、優先順位の低い(理想とされる)ものは時間を決めて切り捨てる方法をとった。自分の考える完璧からは程遠いが、建築として成り立っていれば解答として問題はない。それがこの試験においての完璧だと考えている。

2つ目のチャンネル要素_素直

製図試験は、問題文を読むことから始まる。

試験本番までに、たくさんの問題をこなすが、これが仇になる事がある。

今までにこなしてきた問題文の「設計条件」が頭の片隅に残っており、目の前の

問題文を読み流してしまうのである。読んだ(理解した)気になってしまうのである。

 

思い込み・勘違いをしたままエスキスに進んでしまうと、もう負けでしょう。

私は、試験開始後15分で勝負が決まると思っています。15分というのは、問題文を

一通り読んで、再度読み返した時の大凡の経過時間です。

 

思い込み をなくす。

毎回取り組む問題で、徐々にトレーニングするしかない。

頭を真っさらにする方法を自分自身で見つけて欲しい。

私の場合、優先順位を考える事と似ているが、「この方が使い易いだろう」「ここに吹き抜けがあると快適だ」のような妙なサービス精神を排除する計画をしようとしていた。無難なプランになり面白みはなくなるが、結果として思い込みの少ない(減点に繋がりにくい)プランとなる。

余談だが、客観的な判断をしたいのはやまやまだが、判断をするための情報はいくら集めようとしても限界があり、完全な客観性は得られない。もっと言えば、人は思い込みによって人生を形成してきたと言えるし、客観性の構築に完璧な方法など、もはや無いと言える。それでも自分の中で折り合いのつく客観性なるものを見つけたいわけだ。

    

 

自分自身の「チャンネル」は、どう作るべきか

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繰り返しになりますが、受験生の条件は同じです。

6時間30分の世界で、自分なりの「完璧」を目指すなら、自分自身の中に

製図試験用の「チャンネル」を作るのが有効になってくると思います。

要素は、私の場合2つ。

「加減」と「素直」

言い換えると「時間制限による線引き」と「思い込み(先入観)の排除」である。

 

人によっては、チャンネルの要素が2つではないかも知れません。

 

是非、製図試験用の「チャンネル」を作っておいて欲しい。

ボタンを押せば現実世界から切り離され、6時間30分の世界で思い切り力を発揮できるように。 

  

「製図試験」のチャンネルをつくる

覚悟と心構え

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二次試験である「製図試験」の内容には、受験者である本人達も違和感を覚え

その違和感を飼い慣らすように試験本番を迎えます。

そして「違和感を飼い慣らす」事が出来る人だけが、合格に辿り着いている

のではないかと感じます。

 

飼い慣らす事ができない人は、自分を正当化するために言い訳を探しに行きます。

・設計の国家資格が手書きなの?なんで笑?

・実務の延長線上にないじゃないか、本当に必要か?

・6時間30分の設計内容で何がわかるの?

仕事が忙しくて、勉強をしている時間がない。私は激しく同意するし、実際 時間がなければ勉強は不可能である。隙間時間や寝る間を惜しんで勉強の時間に当てていた方には頭が上がらない。素直にすごいと思う。私は転職時期をうまく重ねて、製図の勉強に時間が割けるように図っていた。

言い訳は100人いれば、100種類出てきそうですが、そんな事は受験生全員が理解して

いるし、全員全く同じ条件です。

この試験の意義・論点はそんな下らないところではありません。

 

「本当の建築士予備軍」

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 「一級建築士」という資格は 、よく揶揄されています。理由は山程あります。

その反面、この資格を持っているだけで敬意を払われる事も多々あり、まったく

謎めいた魔法の杖です。

 

建築を学ぶ方法はそもそも決まっていません。

一流大学を卒業しても真面に設計業務が出来ない人はたくさん見かけます。

生まれながらにして建築的センスが爆発している人もいれば、何かをきっかけに

建築が好きになり、建築巡りをするうちに実力が付いてきた人もいます。

工事現場で働き出して、そこでリアルな建築を学んできた人もいます。

多種多様な建築に関わる人がいる中で、この試験はある種の平等性を保ったものだと

考えています。そもそも試験に合格した人を「建築士」だと決める試験ではない

ですし、芸術的な観点も採点の対象にはなっていません。

これから「建築士」として世の中に寄与できる資質の持ち主なのかを試す試験で

あると私は位置付けています。

 

問われるあなたの資質

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この試験は、問題文の内容以上に、問い迫ってきます。

あなたは設計を行うものとして、単独で、どこまで深く詳細に計画を練り、建築に

意義を持たせる事ができるだろうかと。

幸か不幸か、建築という事象は非常に多くの人が関わる事で形づくられている。

もしあなた自身に至らない部分があったとしても、他の誰かが補ってくれている。

そのような助け合いで建築は成り立っている。

 

うっかりミスで設計したものに致命的な欠点を与えてしまったり、建築プロセス

という大きな流れを止めてしまったり、各方面からのストレスに耐えられなく

なったり...という人では、一人の設計者として仕事を任せる事が難しです。

 

『俺、私に限ってそんな事はない。今でも十分に仕事をこなしている』

『このまま実力を磨けば一級建築士の資格取得など時間の問題だ』

そう思うあなたは、今までにある程度の評価もされ、ある程度の結果も出してきた

のでしょう。しかし、その思いこみは危険です。

私もそうでしたが、そのままの感覚ではいつまで経ってもこの試験を突破できる

日が来ないでしょう。

 

「製図試験」を突破するためには、あなたの中に「新しいチャンネル」を

つくる必要があるのではないかと感じるようになりました。

 

「設計製図」というチャンネル

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チャンネル。言い換えれば「心構え」とも言えるかも知れません。

簡潔に言えば、2つ。

1.思い込み(先入観)を捨てる事

2.割り切るための線引きをする事

 

内容は次回で。

 

製図試験が終わり合格発表まで

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製図試験の時間はあっという間に過ぎて行きました。

6時間30分の中で、心身ともに全力で使い解放感と共に脱力感も同じぐらい感じました。

力を出しきったものの、正直、来年も頑張るしかないと感じる手応え。

製図学校に通っている人は、この精神状態の中で復元図面を引くために

試験後に学校に戻ります。

 

復元した図面は、担当の講師に学校の基準で採点されます。

案の定、合格にはもう少し、という曖昧な回答が返って来ました。

この時に不合格を客観的に認識し、来年の試験に向けて気持ちを切り替えました。

 

 

合格発表の日

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転職前の時期で長期の休暇を満喫していた12月。

合格発表であった日は京都で寺社仏閣を巡っていました。

 

夕食を食べていたそんな時、「合格者の皆さまへ」と題したメールが届いた。

合格しているはずがないので(発表日も忘れていたので)間違ってメールが送られてきたと思い、少しイラっとしました。が、念のため試験元のホームページを確認すると、私の名前が記されていました。

 

青天の霹靂とはこの事

 

一級建築士免許証明書を受け取って

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2017年の製図試験を受験し、何とか合格という目標を達成する事が出来ました。

 

これは一重に私を支えてくれた家族や友人・その他大勢の力添えがあってこその結果であり、感謝の言葉も出て来ません。

 

そもそも私は、2014年の「道の駅」が初めての製図試験でした。

暫くは受験から離れました。

 

受験生時分のモヤモヤした思考が晴れた今となっては、当時気付かなかった事・考えが及ばなかった事が多々あったと反省しています。

 

これから試験に挑む皆さんの合格へのヒントになればと思い、私が感じた「一級建築士製図試験」というものを綴る事にしました。

  

皆さまの心に少しでも響けば幸いです。