1つ目のチャンネル要素_加減
ある時、妙な事に気づく。
実務に長けていて、卒なく仕事をこなし、ディテールにも詳しいあの人が製図
試験は突破出来ないでいる、という事。
完璧主義。聞こえはいいが、製図試験においては、これが足枷になっている人が
多いように思います。
設計をする人は繊細で細かい性格の人が適している。
だが、試験を突破したいなら考え方を改める必要がある。
いい加減にすると、もちろん合格できない。。と思いがちだが、あなたの考える
完璧を果たして採点官は本当に求めているのだろうか。
完璧とは何なのだろうかと、一度自問自答して欲しい。
とは言っても、6時間30分で出来る、それぞれの「完璧」を
自分自身で見つけて欲しい。
私の場合、 自分が完璧と思う事を他人が必ずしも求めているわけでは無いという考え方を基に、建築として必要な要素を優先的に盛り込むようにして、優先順位の低い(理想とされる)ものは時間を決めて切り捨てる方法をとった。自分の考える完璧からは程遠いが、建築として成り立っていれば解答として問題はない。それがこの試験においての完璧だと考えている。
2つ目のチャンネル要素_素直
製図試験は、問題文を読むことから始まる。
試験本番までに、たくさんの問題をこなすが、これが仇になる事がある。
今までにこなしてきた問題文の「設計条件」が頭の片隅に残っており、目の前の
問題文を読み流してしまうのである。読んだ(理解した)気になってしまうのである。
思い込み・勘違いをしたままエスキスに進んでしまうと、もう負けでしょう。
私は、試験開始後15分で勝負が決まると思っています。15分というのは、問題文を
一通り読んで、再度読み返した時の大凡の経過時間です。
思い込み をなくす。
毎回取り組む問題で、徐々にトレーニングするしかない。
頭を真っさらにする方法を自分自身で見つけて欲しい。
私の場合、優先順位を考える事と似ているが、「この方が使い易いだろう」「ここに吹き抜けがあると快適だ」のような妙なサービス精神を排除する計画をしようとしていた。無難なプランになり面白みはなくなるが、結果として思い込みの少ない(減点に繋がりにくい)プランとなる。
余談だが、客観的な判断をしたいのはやまやまだが、判断をするための情報はいくら集めようとしても限界があり、完全な客観性は得られない。もっと言えば、人は思い込みによって人生を形成してきたと言えるし、客観性の構築に完璧な方法など、もはや無いと言える。それでも自分の中で折り合いのつく客観性なるものを見つけたいわけだ。
自分自身の「チャンネル」は、どう作るべきか
繰り返しになりますが、受験生の条件は同じです。
6時間30分の世界で、自分なりの「完璧」を目指すなら、自分自身の中に
製図試験用の「チャンネル」を作るのが有効になってくると思います。
要素は、私の場合2つ。
「加減」と「素直」
言い換えると「時間制限による線引き」と「思い込み(先入観)の排除」である。
人によっては、チャンネルの要素が2つではないかも知れません。
是非、製図試験用の「チャンネル」を作っておいて欲しい。
ボタンを押せば現実世界から切り離され、6時間30分の世界で思い切り力を発揮できるように。